
路面を知る
雪道=滑る=怖いというイメージを持っている方は非常に多くいらっしゃると思います。しかし、本当に怖いのは雪そのものではなく滑る路面です。4WD車にスタッドレスを履いて慢心しながら雪が踏み固められた路面を走っていると、日陰や曲がり角に差し掛かったところで刺さるという結果になりかねません。4WD車だから
スタッドレスだから
安全という甘えは非常に危険です。スタッドレスタイヤは予防策の一つに過ぎません。また、4WDも2WDも制動力に関しては"ほぼ"同じです。
安全に走るためには、路面のグリップ度をさし測りながら運転操作をしていく必要があります。
ステアリングからの情報
タイヤが空転している場合、ステアリングの切り始めが軽くなります。また、ステアリングの切り角よりも車体が遠心力で膨らんだラインを進みます。(アンダーステア)
ブレーキからの情報
摩擦係数の低い路面でブレーキをかけるとABSが効きます。ちょっと踏んだだけでABSが作動するようであれば間違いなく滑りやすい路面です。ブレーキに頼らない運転を心がけましょう。
音(ロードノイズ)からの情報
乾いた路面、凍っていないぬれた路面、雪の上、氷の上はそれぞれ音が違います。特に凍った路面は音が小さくなる傾向があります。
環境
日陰や橋の上などは路面が凍結している可能性が高いです。外気温が水の凝固点である0℃に近い場合はより一層警戒しましょう。
スキー場などに出かける際に、目的地が現在の場所より標高の高い場所に移動する際注意が必要です。標高が1000m高くなると-6℃も気温が下がります。たとえば地上で6℃だとしたら標高1000mの山に登れば0℃です。標高以外に温度を左右させる環境条件はありますが、山は登るにつれて路面の状況を変えてゆきます。また、木々により日陰が多く、湧き水もある為、いつ凍った路面が現れるか分かりません。それに加え、曲がりくねったコーナーと上り下りの激しい道はより険しいものとなるでしょう。
安全に運転するコツ
緩やかなインプットを
アクセル、ブレーキ、ステアリング、全ての操作を緩やかに行うことがポイントです。摩擦係数が低い路面で急激にステアリングを切ればアンダーステア、横Gがかかっているところでアクセルを踏めばオーバーステアが発生してしまいます。乾いた路面では誤魔化すことが出来ていた運転技術も極限に近い環境下では露呈してしまうのです。
早めのブレーキ
ブレーキは早めに長く軽くかけて余裕を持って減速しておきます。その時、エンジンブレーキも併用すると緩やかに減速が可能です。
センターインセンター
必要以上の入力をしないというのがポイントです。そのためには、道幅をフルに使い、最小限のステアリングの舵角でコーナーを曲がる必要があります。イメージとしては、コーナー進入時は気持ち外側から入り、コーナーの内側に舵角を決め、コーナー終わりでは気持ちアウトから出て行くという形です。大げさにやる必要はありませんが、意識すればステアリングの切り足しや戻しが少なくなり、その分余裕のある運転になります。
減速は横Gが少ないときに
基本的に減速は横Gがかかっていない時にしておきます。
もし、コーナーに差し掛かりスピードが乗りすぎていると思ったら、そのままブレーキを踏まず、いったんステアリングを直進に戻しながらブレーキをかけます。最悪センターラインをオーバーしてしまっても刺さるよりはマシです。ただ対向車には気をつけましょう。
何もしないということをする
タイヤが空転し、車の向きが変わってしまった場合、あわてて逆ハンドルを切るようなことはせず、ある程度挙動を観察しましょう。滑りやすい路面を抜けてタイヤがグリップを取り戻すこともありますし、逆に何もしない方が損害が少ない場合もあります。というのも、視覚情報にとらわれてステアリング操作をすると大体、後手後手のステアリング操作になってしまいます。結果的に振り子運動に加勢する形になってしまい、最悪スピンしたり刺さったりしてしまいます。
まとめ
- 路面状況を見極めながら運転する
- すべての操作を緩やかに行う。無駄な操作はしない
- 直線で減速する
- コーナー手前から徐行
- 車やタイヤの性能を過信しない